T12 堀越信司選手 (2015年7月 身体障害者陸上関東選手権にて撮影)

T12 堀越信司選手
(2015年7月 身体障害者陸上関東選手権にて撮影)

【Q3】
クラス分けに付いてきた「Review」とは何ですか?

視覚障がい者は、パラリンピック等の大会に出場する際、3つのクラスのいずれかのクラスに属して競技を行います。つまり、大会に出るためには、クラス分けの判定を受けることが必須となっています。今回は、クラス分けを受けて実際に大会に出場した選手からの質問です。

『僕は、2020年の東京パラリンピックでメダル獲得を目指している選手です。最近、記録も伸びてきていて、先月、初めて国際大会に出場させていただきました。
クラス分けに必要な書類を事前に提出し、現地でクラス分けの判定を受けた結果、B2になりました。判定の資料を確認したら、「Class」の欄に「B2」と書いてあったのですが、それに加えて「Status」の欄に「Review in 2 years」と書かれてありました。この「Review in 2 years」とは、どのような意味があるのでしょうか?』

クラス分けは、大会が開催される場所で、競技が始まる日の前に判定されることになっています。
大会に出場するたびに毎回、クラス分けの判定を受ける選手もいれば、そうではない選手もいます。これは、選手がクラス分けを受けた時についてくる「Status」に依ります。

クラス分けの判定では、選手に対して「Class」(クラス)「Status」(ステイタス)が示されます。

「Class」とは、B1、B2、B3のいずれかのクラスか、またはNE=不適格を示しています。

「Status」は、次のような内容が示されます。
1:Confirmed
「Confirmed」は、選手の視覚(視力・視野)が今後、変わらないことを意味しています。
つまり、今後、クラス分けの審査をしても同じ結果になることが明らかであることを示します。
このため、いったん「Confirmed」がつけられた選手は、その後は、原則としてクラス分けの審査を受ける必要はありません。

2:Review
Reviewは、選手の視覚(視力・視野)が今後、変動する可能性があることを示しています。

ある大会でクラス分けの判定を受けていても、次の大会に出場する際には、改めてクラス分けの判定を受けなくてはなりませんが、Reviewの後に書かれていること(書かれていないこと)に依って、クラス分けの審査を大会毎に「毎回」受ける必要があるのか、一定期間は受けなくてよいのかが決まります。

2-①「Review」のみ

まず、「Review」の後ろに何も書かれていない選手は、大会毎にクラス分けの審査を受けなくてはなりません(図:例1)

2―②「Review in 2 years」「Review in 4 years」

「Review in 2 years」と書かれていた場合は、
2年後に改めてクラス分けを受けることを求められています。

例えば、今年(2015年)に初めて出場した大会のクラス分けで、「B2」「Review in 2years」と示された場合、2017年の最初の大会までクラス分けの審査を受ける必要はないということになります。つまり、「B2」「Review in 2 years」と判定された方は、次のクラス分けの審査を受けるまでの間は、原則としてクラス分けの審査を受けずに「B2」のクラスで出場することができます(図:例2)
「Review in 4 years」と書かれていた場合は、4年後の最初の大会まで、原則、クラス分けの審査を受ける必要がありません。

例1

例1

例2

例2

Reviewの後に何も書かれていない場合は、いくつか理由がありますが、クラス分けのために事前提出した資料が不十分である場合がかなり多く見受けられます。

例えば、

●国内の眼科で作成していただいた検査データを提出したが、英語で書かれていない。

●検査結果が日本語で印字されるタイプの検査表を提出しているが、印字された日本語を修正液などで白く塗りつぶして、その上から英語で書かれている。
●検査結果の日本語の上に取り消し線を引いて、その横に英語を記している。
(日本語を修正液で塗りつぶしていたり、取り消し線を引いているため、有効な記載と認められない。日本語はそのまま残し、その対訳として英語で記載するのが適切。別紙の説明でも可能)

●網膜電図(ERG)、視覚誘発電位(VEP)など波形で示される眼科の検査結果の資料をつけているが、標準の結果を示す波形の資料を付けていない。
(標準の波形をあわせて提出していないと、選手の検査結果の資料が有意義なものと判断されない)

などが挙げられます。

クラス分けの審査では、各大会の間隔は問われません。たとえば、図の例1で示した選手の場合、A大会でReviewのみとなり、B大会が1か月後にある場合でも、B大会でクラス分けの審査を受ける必要があります。Reviewのみになるのは、検査データ不足や英訳不十分な可能性が大きいので、事前によく調べてからクラス分けに望む必要がありますが、次の大会(B大会)までの時間がないことから、前回(A大会)とまったく同じ書類を提出して、再び、「Reviewのみ」の結果になってしまったという選手も多くいます。

クラス分けの判定で「Review in 2 years」「Review in 4years」をつけていただけるような資料を、最初から、しっかりそろえて提出したいところです。
選手やスタッフは、検査を受ける前、また、実際に資料が整った後に、各競技団体の眼科担当医に相談して、必ずチェックしてもらえるようにしましょう。専門的な内容が多いので、そのほうが安全だと思います。
 
「Review」のみになるものは提出された資料が十分になることが多いことを紹介しましたが、些細なことで「Status」(ステイタス)は変わります。
準備は大変ですが、ぜひ、多くの人と協力しながら、適切なクラス、ステイタスをクラス分けで得てもらいたいと思います。

(監修:西田朋美・国立障害者リハビリテーションセンター病院)
(構成・執筆:河原由香里)
(図・イラスト:前川亜希子)