樋口政幸選手

樋口政幸選手

陸上・T54の樋口政幸(ひぐち・まさゆき)選手は、6月の日本選手権、9月のジャパンパラ競技大会ともに、800m以上のトラック種目では他の日本人選手におびやかされることのない、力のある走りをみせている。

樋口選手にとって、「勝負」という点では、スイスのMarcel Hug選手、イギリスのDavid Weir選手など、パラリンピックでメダル争いをするレベルの選手たちと競える海外の大会に、その舞台があったといえるだろう。

今年は、IPC(国際パラリンピック委員会)のGrandPrixの大会に出場し、遠征の結果、IPCのランキングでは、800m6位、1500m2位、5000m11位につけている(10月現在)。

これからピークをあわせるのは、10月18日から韓国・仁川で開催されるアジアパラ競技大会だ。
樋口選手は、夏以降、スピード重視のトレーニングを積んでいる。

9月の取材時には、「動きの質という面では、現時点でも悪くありません。よい感じになっていると思います。体のキレがでてきたら、さらによくなっていくと思います」と話していた。ここまでの調整は、順調にきているようだ。

陸上のトラック種目をメインとする選手にとって、アジアパラ競技大会は今年の節目となる大会であり、2016年のリオ・パラリンピックまでの期間みても、今年のアジアパラと、来年のIPC陸上世界選手権の2つの大会は大きな節目となる。これらの大会で勝負の経験を積んでいくことが、リオでの結果につながるに違いない。

樋口選手の障害のクラスT54は、欧州だけでなく、アジアにも力のある選手がいる。アジアパラでは、タイのPrawat Wahoram選手、Rawat Tana選手、韓国のGyu Dae Kim選手など、IPCのランキングでも上位に名を連ねている選手たちが顔をそろえることになりそうだ。

アジアの舞台で、次につながる走りができるか。
幕は、もうすぐあがる。

(取材・文・撮影 河原由香里)